法律ワンポイント

公正証書遺言1|メリット

Q 遺言を残すにあたって,「公正証書」で遺言を作るといいとよく聞きますが,なぜでしょうか?

 

A 公正証書で遺言を作成するメリットは

1、自筆遺言書(本人の手書きの遺言)とは異なり検認(※1)の必要がなく,比較的簡単に不動産の登記や預金の手続が可能

2、自筆遺言は有効になるための要件(※2)に注意しなくてはならないが、それを気にしなくてよい

3、公証役場に原本が保管されるので,紛失や誰かに書き換えられる心配がない

4、公証人が遺言者に直接対面し意思を確認して作成されるので,死後に遺族間で「当時父は認知症だったから遺言は無効だ」という紛争になる危険性が少ない

 

1について ※ (まず「検認」がなにかについては,本ブログ検認とはを参照下さい。)

大半の方は検認手続をされたことがないので、「検認しなくてよいのがメリット」と言われてもピンとこないと思います。

しかし、実際に経験している立場からすると、検認は相当な手間であり、時間もかかります。

検認はまず裁判所に対し,少なくとも 「遺言者の出生から死亡までのすべての戸籍」+「法定相続人全員分の戸籍」 を集めて提出しなければならないからです。当事務所が携わった例では,計20通以上の戸籍類を集めたこともありました。

また家庭裁判所で検認がされる期日は、申立書提出から1か月ほど先になります。検認当日には申立人は家庭裁判所まで出向かないといけません。その場で対立する親族と顔を合わせて険悪になることもあります。

しかし公正証書遺言であれば、これらの手間・時間をかける必要がありません。

 

2について 本ブログ自筆証書遺言で記しましたように、自筆の遺言は日付を書き忘れただけでも無効になってしまいます。

しかし公正証書遺言であればそのような心配はありません。

 

3・4については表示のとおりです。

特に4についてですが,実際,自筆遺言について無効を主張したいという依頼者の案件を当事務所で受任し,結果,依頼者の希望に添う形での調停が成立したことがあります。

 

逆にデメリットとしては,①費用と,②手間(公証役場との連絡・資料種集など)がかかるということがあります。

ただし,上記の各メリットと比べればそれほどの負担ではないと思います。

②の手間に関しては,公正証書遺言を作成する流れに関連しますので,また別記事で触れたいと思います。

公正証書遺言に関するご相談は鈴木洋平法律事務所へ

 

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