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2016.10.14 敷金返還の本人訴訟で勝訴的和解(事務局・Part2 少額訴訟訴状)

敷金返還請求の本人訴訟(少額訴訟で提訴)で私が勝訴的和解した件ですが,今回は,裁判所に提出した訴状や,参考にした裁判例についてふれます。

 

2 敷金返還の訴状

 

まず,裁判所のホームページには,少額訴訟でかつ敷金返還請求事件用の,訴状のひな形がありましたこちら

それだけ案件が多いということでしょうか。

なお,私はそのひな形を参考にはしましたが,一応法律業界の末端に従事する人間のプライドとして,自分で一から打ち込んで訴状を作りました。

 

2-1 訴状の内容

形式は以下のように作成しました

・少額訴訟を提起するのは1回目であることを明記

(少額訴訟は,「同一の簡易裁判所に年10回しか提訴できない」という制限があります)

・各当事者の住所氏名

・請求の趣旨(「被告は金○万円支払えとの判決を求める」)

・請求の原因(原告側の請求を基礎づける事実のことです)

 1 賃貸借契約の内容(賃貸借契約書を書き写しました)

 2 敷金をめぐるこれまでの相手方との連絡・経緯

 3 契約書の敷金についての特約(当方に不利な内容)が,無効であることの法的主張,論拠としての裁判例の引用,裁判例の規範の本案件へのあてはめ,裁判例の事案と今回の案件との比較

 4 相手方が述べていた,敷金の全額について返還を拒絶する理由に対する,当方の意見

以上の内容で作りました。

 

2-2 引用した敷金に関する裁判例 (どちらも裁判所の判例検索ホームページから探すことができます)

・京都地方裁判所 平成16年3月16日判決

 (「自然損耗・通常損耗の原状回復義務を賃借人(部屋の借り手)の負担とする」旨の特約が,消費者契約法の適用の結果,無効になることを示した判決)

・最高裁判所 平成17年12月16日判決

 (退去時の補修費用負担に関する書面が存在するが,当該事案においては,「通常損耗補修特約の合意が成立しているということはできない」と示した判決)

 

以上の内容でした。

なお,和解で決着しておりますので,担当の裁判官から見て,私の主張や裁判例の引用が適切だったのか,それとも的外れだったのかについては,わからないです。

また,個別の敷金をめぐる紛争について,上記裁判例を引用すれば有利になるか・不利にならないかについては,当事務所が保証するものではありません。

 

2-3 訴状を作成した際の個人的感想

私の気持ちとしては,提訴前に相手方が敷金返還を拒絶した際の対応について,憤りを感じることもあり,敷金だけでなく慰謝料も請求したいとも考えていました。

しかし,仮に慰謝料請求をするとなると,様々な主張や立証が必要になり,またおそらく慰謝料までは認められない可能性の方が高いだろうと自分で判断して,そこまでは請求しませんでした。

依頼者の方が,そうなりたいと思っていなくとも相手方に対する強い憤りにとらわれてしまう気持ちが,実感できました。

引き続き,裁判所における少額訴訟提訴時や,裁判期日当日の体験記などもふれたいと思います。

 

なお,この記事では私個人の体験談として,物件の借り主側の視点で書いていますが,当事務所としては借主側・貸主側のどちらからのご相談・ご依頼も対応可能です。

敷金について相談・依頼を考えている方は(個人・法人問わず),ぜひ当事務所までご連絡下さい。

 

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